バイリンガルであること

こんにちは!

今日はロッキーホラーショー大阪初日でした!!
大阪のお客さんは、発しますね!コトバを!笑 客席から具体的なツッコミが聞こえてくるので、面白かったです。ありがとうございます!☆

さて、コトバにかこつけて、ではないですが、

二つ目の投稿で、今日はバイリンガルであること、バイリンガルになる術、について話そうかな、と思いました!

その前に!!
英語が苦手な方にはとっておきのビデオを見つけました☆3分ほどのビデオなのですが、そのタイトルはまさに「WORDS」です。

芸術性と展開の美しさもさることながら、この動画の大きな特徴は、英語での同音異義語に乗っ取って展開していることです。

では、一度ご覧になってから、続きを・・

WORDS from Everynone on Vimeo.

WORDSというテーマの中で3分間で人生を網羅しててなんだかせつないです。。

気づいた方も多いと思うのですが、WORDSというテーマで、いろんな単語の同音で意味が違う部分を、映像を使って美しくつないでます。
こんな動画ですが、英語の参考資料としてとってもいいと思うので、それぞれ単語にどの映像がかかっているか、その意味を説明してみます。
元になってる単語はだれでも知っているもので、Play, Blow, Break, Split, Run, Fly, Light.
一こま一こまと照らし合わせてみると、こういう場面でその単語を使うのか!と、印象に残って覚えやすいかもしれません。
同音異義語を覚えるアプローチとしていかがでしょうか。

動画の単語単語の意味は、このブログの一番下に書きました!すべて簡単な単語です☆でも意味は豊かです。

個人的には最後のスペース、ポチっで終わったところが一瞬なにが起きたのかわからなくて、あ!ってなりました。スペースか。広大な宇宙で終わるとの予想をうらぎって、キーボードでポチ!で終わる。音のキレもいいですね。
で、です。どうして同音異義語の意味を書いたかというと、言語を勉強するときに映像や経験や感情と結ぶつけて覚えた方が遥かに頭に残るからです。

言語のそもそもの存在意義って、サバイバルだと思っています。

話せないと生きていけないので、話せるようになる。

また、話す必要性があることに関しては、脳はそれを学ぶ事を苦と感じさせない。できるかぎりパーソナルにしていく工夫ができれば、飛躍的に言語習得のスピードはあがるのです。


「楽しいのでもっと学べる、学べるのでもっと楽しい。」

の正のサイクルにもっていけば、勝ったも同然です☆

言ってしまえば、バイリンガルの人は、サバイバルとして言葉を学ばなければいけない環境に身を置いていた為に、話せるようになるのです。

モノリンガル(一つの言葉を話す人)の方は、他言語を学ぶ為には、この環境を人為的に作る工夫が大事だということが、なんとなく想像できそうです。(僕は17歳のときから一年かけて韓国語を学び、それを確信しました。その経験については、いつかブログアップしようと思います。)

「人為的な環境」というのは、僕の場合、母が意図的に僕の為にその環境を作ってくれました。
私ごとですが(自分のブログなのでご勘弁を。笑)、ちなみに、僕は10歳までイギリスで育ち、その後日本に移りました。でも、母は日本育ちだったので、イギリスの家では日本語でした。もっというと、母は大学で言語学を、それも子どもの言語習得を学んでいた経験より、家では徹底的に日本語オンリーがルールでした。

子どもの僕には、母が英語を話せて理解できる事はわかっています。でも母は英語で話しかけても無視、あるいは日本語で返す。母は、僕が「家の中」でサバイバルするためには、日本語を話さなければいけない環境をつくりました。それは10歳のときに日本に移るまで続き、さらに毎日30分の漢字の書き取り、土曜日は日本人学校へ、といった具合でした。

いうまでもなく、日本語を話すのはイヤでした。ただ単にメンドクサイんです。脳みそを使うのがしんどいんです。左手でお箸をもってご飯を食べるような感覚です。食べられなくはないけど、非常に労力を要する。

でも、おかげで、僕は日本語を話せるように育てられ、10歳から日本に移ったときには、他の日本の子からは遅れはあるものの、3、4年でネイティブレベルに追いつきました。そして今、こうして日本の舞台に立っています。

ちなみに、(特に育ち盛りの)バイリンガルの人の中には、だいたい2つの言葉に優劣があります。
得意な言語とそうでない言語。
同時に両言語強くなっていくことはありません。自然なことです。
一つが強くて一つが弱いのは、問題ではありません。
タイムラインで話すと、僕の場合は、10歳までは英語が優勢、14歳頃から日本語が追い抜き、で22歳くらいに英語が追いつきました。今はトントンの実力です。

問題となるのは、両方とも中途半端な状態で落ち着いてしまう時です。

両方ともあまり得意ではない。得意な一つの言語がない。つまり、ネイティブレベルの言語がない状態です。
両方話せてすごいね!なんて言われますが、とんでもありません。
危ないシチュエーションです。
意外に多いんです。

そのどっちつかずな状態は、普段から両言語で補い合って話す事に慣れている人に起きやすいです。

たとえばインターナショナルスクールに通っており、バイリンガル同士の友達とのコミュニケーションになれていると、何か一つのA言語での単語がでてこない時、すぐにそれをもう一つのB言語で言ってしまえるのです。すると、はじめにでてこなかったA言語の単語はますます思い出す必要性(サバイバルできちゃう)もなくなり、使わなくなってしまいます。

ですが、いざA言語しか話さないモノリンガルの人と話す事になった時、B言語が使えないので非常に会話がしんどく感じられるのです。いちいちA言語で単語を見つけてこなくてはいけない。

めんどくさいのでA言語のモノリンガルの人と友達になる意欲も減り、バイリンガル同士のコミュニティーでのみつるむようになる。ますます両言語中途半端街道を突き進む事になりそうです。

(もちろん、インターナショナルスクールは子どもにとってはいい影響もたくさん与えてくれます。そもそも両言語学べるようになるのですから。ただ、この一点は陥りやすく、僕も個人的にたくさん目撃していますので、注意が必要だと思い、書きました。)

僕の場合、とてもラッキーだったのはいうまでもありません。
母の教育の例は、遊びたい盛りの子どもにどうやって言葉を仕込むか、ということであります。

大人の場合は少しアプローチを変える必要がありそうです。
大人にあって子どもにないものは、自律心ですね。

動機付けによって、自身でその人為的環境がつくることができます。それが大切だと思っています。

ここで学んでとれることは、英語を話せるようになるには、机でガリガリ文法と単語暗記をするでは、けっして英語を「話せる」ようにはならないということ。読めるようにはなるかもしれませんが。
残念ながら、日本の学生の多くにとっては、サバイバルの対象がテスト、なのです。

サバイバル的環境を作る方法ですが、自分が一番ほしい・興味のあること・ものが、英語、または英語によって自分に近づく、という状況をつくることができれば理想だと思います。

簡単な実例として、上の動画をあげました。「好きな動画にどんな意味が込められているのかしりたい。」
舞台・ミュージカル Loverの方々は、「原語での意味をしりたい!」

ミュージカルに関して言えば、歌の中で音節の制限がある以上、日本語に訳すとどうしてもいろんな意味が失われてしまいます。
それでも翻訳家の方々、キャストの知恵を持ち集めて、すばらしい和訳を作っていくのですが、限界があるのも事実です。

以前出演させていただいたミュージカルRENTも、数え切れないジョーク、レファレンス、韻、言葉遊びが込められています。英語のネイティブでも聞き逃してしまいます。でも、それを知りたい!と思ったときに、それを英語を学ぶサバイバルの原動力につなげられたら、楽しくなるかもししれません!正のサイクルへの第一歩です☆

このテーマについてはまた、書きます!

ありがとうございます!

PS。質問に答えます!
「バイリンガルの頭の中はどうなってるんですか?何語で考えますか?」
答え:(僕の場合)、両方で考えますが、主にその時に話している言語で考えます。でも、韓国語は僕にとって母語ではないので、日本語で考えたものを韓国語に頭の中で変換して話しているときもあります。あとは、その言語に付随する文化によって、例えば、「日本語にしかない感覚」とかがあります。「微妙!」っていう表現がそうですね。英語では表現しにくいです。あとは、大阪のツッコミとか。ないですねー英語には。これは英語で考えようがないです。

動画の単語たち
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PLAY=再生する、芝居、遊ぶ、スポーツのプレイ(好プレイ珍プレイ)、スポーツをする、(楽器を)演奏する

BLOW=吹奏する、吹く、送風、(お金を)浪費する・無駄にする、吹かれる、(鼻を)かむ、殴る、膨らむ(Blow Fish=ふぐ)、(電球が・ヒューズが)切れる、乾かす(blow dry)、切れる=Break

BREAK=壊す、割る、折る、解散する、ブレーキを踏む、ばらばらにする、(声が)割れる(Breaking up)、別れる(Break up)=Split

SPLIT=別れる、割る、(薪を)割る、開脚(splits)、シェアする、(ボウリングの)スプリット、破れる、(タイツなどの繊維が)伝線する=RUN

Run=走る、たれる、流れる、流れる(running water)、突破する、逃げる(run away)、滑走路(run way)

FLY=飛ぶ、ハエ、チャック、容認する、(ピアノなどの鍵盤の)閉じぶた→FALL=落ちる、倒れる、落ちる、転ぶ、転ぶ、滝、眠りにつく(Fall Asleep)、秋、伐採された(木)、(ふわりと)落ちる(羽)→軽い=Light

LIGHT=軽い、光、ペンライト、(ライターの)火、(聖なる)光、照明、照明、雷(Lightning)→Space=宇宙、スペース
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バイリンガルであること」への6件のフィードバック

  1. とっても興味深いお話&質問アンサーありがとうございます。
    海外滞在や海外のかたとの交流は多いほうだと思うのですが、どうも英語が、一応の生活がこなせる、あるいは一応の意思疎通ができる、というレベルから上達しないのでした。
    英語を話すときは頭のなかも英語で考える~は実践するよう心掛けていたのだけど、サバイバルが必要な状況に自分を置くべし~は目からウロコです。
    とり急ぎ、学生の頃の貧乏旅行のような「観たいショーやスポーツがいっぱいあって、でも旅先でそれを観るためには、まずガイドブックに載ってないような安宿を探さなくちゃいけなくて~」みたいな旅に出てみたいなと思います(笑)。
    サンシャイン劇場でお待ちしてますね。

  2. ロッキーホラーショーを見て辛源さんを知り、ブログを見ました。とても面白い内容で読み込んでしまいました。
    私は自分が舞台に興味があって、家庭環境も比較的英語に囲まれているので、この記事にはすごく共感できました。従兄弟がインターナショナルスクールなのでこれまた納得できることが多々あり、とても興味深かったです。
    私も正直海外のミュージカルを日本語で上演しているものには様々な意味の違いやずれを感じてしまって、それが不快に感じてしまうことがあります。ただミュージカルはもともと日本の文化ではないので、本場のブロードウェイやハリウッドを超える作品を日本人の手で作ることは難しいし、それが受け入れられることはさらに難しいですよね。ですがやはりアイガットマーマンの宮本亜門さんのようなオンブロードウェイでディレクターをなされた方も出て来ているのでその夢も不可能ではないのかなと思います。
    それにはその世界に通じるなんといっても英語力が不可欠ですよね。
    辛源さんの経歴にも感心を受けました。大学をきちんと卒業なさっていながら舞台俳優をされているのですね。私も自分が同じような道を目指しているのですごく尊敬します。
    これからまたブログちょくちょくお邪魔いたします。

  3. 今まで読んだ多言語能力に関するどの文章よりも読みやすかったです!
    私の場合は両親ともに日本人で、日本語だけを話して育ち、後から身に付けた英語なので決してNativeとかBilingualとか言えないですが、それでも頷くところがいっぱい。
    「何か一つのA言語での単語がでてこない時、すぐにそれをもう一つのB言語で言ってしまえるのです。すると、はじめにでてこなかったA言語の単語はますます思い出す必要性(サバイバルできちゃう)もなくなり、使わなくなってしまいます。」
    これ同感!職場が英語を理解する人であふれているので本当にルー大柴状態…特に英語の方から先に体に馴染んでしまった言葉は日本語にするのが面倒で英語のままにしちゃいます。

    まだ中学生や高校生で英語を「勉強」している最中の人達には是非映画やドラマをたくさん見て欲しいです。字幕は一瞬で読んでしまって、英語のセリフを聞くようにする。それだけでだいぶ違うと思います。私は学生時代から無意識にそうやって見ていて、かなり感覚として身につけるのに役立ちました。Nativeの方々に「すごく自然にしゃべる」とよく褒めてもらえるようになったのは、地道にこれをやっていたおかげもあるハズ!

    英語が全てではありませんが、世界が一気に広がるのは事実。楽しく身につけられるといいですよね。

  4. 本日ロッキーホラーショーの大阪公演(素晴らしかったです!!)を拝見して「この人誰だろう?」(失礼)と思い、検索したところこちらへたどり着きました。舞台も素敵でしたが、こちらのバイリンガルに関する考察にも感銘を受けました。
    神戸市内で、主に「デカセギ」と呼ばれる中南米からの日系移民(逆移民?)の人々の子どもたちに日本語学習と学校の宿題の支援をしていたことがあります。
    インターナショナルスクールに行ってバイリンガル♪などという悠長な話とは全くかけ離れた世界です。彼らの多くは母語も完成していない幼いころに、自分の意志とは無関係に「外国」である日本(祖国でもあるのですが)へ来て、公立の学校に行きます。いじめにあったりして行かなくなる子どももいます。友達に恵まれて日常会話に不自由しなくなったとしても、よほど意識の高い両親のもとで厳しい環境にさらされない限り、学習言語は身に付かないので、授業中に先生が話している言葉や教科書に書いてある言葉(話し言葉とはかけ離れてますよね)は、ほとんど理解できません。しかし、一見日常会話ができるために、言語の問題ではなく単に「勉強のできない子」として扱われることがほとんどです。
    閉鎖的な日本の学校の中で「サバイバル」するための日本語の日常会話を身につけていく一方で、母語は来日前の幼児レベルのものから進歩せず、母語しか話さない両親との会話が途絶えることがますます事態を悪化させます。日本語は日本語で、友達同士の会話レベルを超えず、「自分」や「自分の思い」を語る言葉、深く思考する言葉を持たないまま大人になるという「セミリンガル」、「ダブルリミテッド」と呼ばれる結果になります。
    言語が思考をつくり、思考が人をつくる、と言います。安易にバイリンガルを礼賛する前に、幼児期の言語教育、特に多言語教育に関しては、辛源さんのお母様のように高い意識で環境を整えることが大事だと思います。
    仕事が忙しく、上記のボランティアから遠ざかっていて、大変だけどそろそろ復帰したいなあ、でも忙しいしなあ・・・と、まさに今日の舞台のあとのお茶で話していたところだったんですが、帰宅後に「あの素敵な6packの人は誰だろー♪」という不純な動機で検索したブログでこんな素敵な記事に出会えて、復帰の意思が固まりました。ありがとうございます。

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